
「障害者雇用水増し問題」に関する第3回目の野党合同ヒアリングが28日、国会内で開かれ、厚生労働省、内閣府、人事院など15府省庁と障害者団体4団体(※)が出席した。
今回のヒアリングでは、野党側から提出した「回答・資料のお願い」にある項目についての説明を各府省庁より求めると同時に、障害者団体の代表にそれぞれ水増し問題についての意見表明を求めた。
司会を務める国民民主党の山井和則衆院議員は冒頭のあいさつで、野党合同ヒアリングが責任追及の場ではなく真相究明の場であり、今後の解決策を提示するきっかけとしたい旨発言した。
厚生労働省からの全体報告では、再点検の結果、中央省庁全体(27機関)の障害者雇用数は、従来報告されていた数字である6867.5人から半減して3407.5人となったこと、これに伴い、法律に基づく不足数も2.0人から3396人となったこと等が報告された(資料「国の行政機関における平成29年6月1日現在の障害者の任免状況の再点検結果について」)。
なぜ今回の「水増し報告」の問題が発生したのか、その原因についての各府省庁からの説明内容は概ね(1)被雇用者の障害者手帳を確認しなかった(2)法律的な要件を満たしていない医師による診断を元に判断(3)健康診断などを元に判断(4)人事関係書類のみに基づいて判断(5)過去の人事関係の事務処理をそのまま踏襲していた――の5点。
ヒアリングに参加した議員らからは、今回報告された内容では障害者手帳を持っていなかった人たちの内訳(理由)が分からないなどとして、より細かな資料の提出を求める声が上がった。また障害者手帳にある等級と実際の労務上の障害の程度が必ずしも一致していないことや、罰則に関する民間企業と中央府省庁のダブルスタンダード等の指摘もあった。
障害者団体からは、厚生労働大臣との面会を求める声や、責任の所在をきちんと明らかにすべきだといった意見も出された。
本問題についての次回第4回目の野党合同ヒアリングは、8月30日を予定。
※今回参加した障害者4団体:障害者の自立と政治参加を進めるネットワーク・傳田ひろみ代表、特定非営利活動法人日本障害者協議会・藤井克徳代表、認定NPO法人DPI日本会議・佐藤聡事務局長、社会福祉時法人日本盲人会連合会・工藤正一総合相談室長

出席した障害者団体の代表ら